家を担保に国からお金を借りる方法

国など公的制度からお金を借りると、金利が低いことが最大のメリットでしょう。

多くの書類を準備しなければならなかったり、審査に時間がかかりますが、安心感があるために国や公的機関を選ぶ人は多いです。

不動産担保型生活資金

国の生活福祉資金貸付制度で、居住用の建物と土地を担保に生活資金を借りられます。

申し込めるのは、居住用の不動産を所有している、低所得の高齢者世帯です。

担保となる不動産評価額の70%まで、月額は30万円まで借りられます。

一括で借りるのではなく、毎月30万円までの範囲内で借り、不動産評価額の70%に達するまで続く制度です。

借りたお金は自由に使えるわけではなく、生活費に限定されています。

契約者が死亡したときに契約が終了し、担保としている不動産は売却されるので、相続人がいない人に適した制度といえるでしょう。

要保護世帯向け不動産担保型生活資金

平成21年9月までは、要保護世帯向け長期生活支援資金と呼ばれていた制度です。

生活保護を受けている世帯で、評価額が500万円以上の不動産を所有していることが、申し込みの条件となっています。

借りられる金額は、戸建ての場合は建物と土地の評価額の70%、マンションなど集合住宅は50%までです。

お金の使用は、生活費に限定されています。

不動産担保型生活資金を借りるために、不動産鑑定の鑑定料や登記の費用が必要ですが、生活保護の実施機関が支払うために不要です。

家を担保に不動産担保ローンでお金を借りる

家や土地などの不動産は、お金を借りるときの担保にできます。

不動産を持っているなら、不動産担保ローンでお金を借りることが可能です。

不動産は戸建てや土地のほか、マンションやアパートも含まれますが、賃貸ではなく自分が所有している物に限られます。

万が一返済ができなくなった場合には、担保となっている不動産を売却して返済に充てられる仕組みになっているのです。

不動産担保ローンでお金を借りるメリット

大きな金額を借りられる

不動産担保ローンで借りられる金額は、数百円から数億円と幅が広く、まとまった大きな金額を借りられるのがメリットです。

担保にする不動産の価値によって借りられる金額が決まり、不動産の価値を評価する方法は家と土地とで異なります。

家の評価は木造や鉄筋などの構造、築年数、床面積や固定資産税評価額で決まり、土地の評価は国が指定する路線価や固定資産税評価額です。

低金利で借りられる

不動産が担保なので、貸す側にとっては回収できなくなるリスクが低いため、比較的低めの金利で借りられます。

一般的なカードローンの金利は最大18%ですが、不動産担保ローンでは1~10%ほどです。

金利が低いと、返済の負担が軽くなるのは大きなメリットといえるでしょう。

返済は長期で計画を立てられる

不動産担保ローンは、最長で約30年間の返済期間が設定できます。

無担保ローンの場合は最長10年なので、期間の違いは圧倒的です。

返済期間が長ければ、毎月の負担が軽くなるので、経済的にも精神的にもゆとりができます。

長期にわたってゆとりをもって返済ができるため、進学資金や介護資金に適しているでしょう。

セカンドハウスや別荘などは住宅ローンが使えませんが、不動産担保ローンが使えるケースも

そのほかにも、再建築不可物件の隣地購入の際のローンに使える可能性があります。

保証人が不要

高額なお金を借りるには、一般的に保証人が必要なケースが多いです。

不動産担保ローンは自分の家を担保にするため、ほとんどのローン商品で保証人が不要となっています。

ただし、他人名義の不動産を担保にする場合には、名義人を保証人にしなければなりません。

不動産担保ローンでお金を借りるデメリット

審査に時間がかかる

不動産担保ローンは申込者の審査だけでなく、担保となる不動産についても調べなければなりません。

そのため、審査に時間がかかることがデメリットのひとつです。

評価額だけでなく、担保としての価値があるかどうかを見極めなければならないので、審査期間は1週間から1か月ほど見ておいてください。

手数料が高い

不動産担保ローンの事務手数料は、借入額の2~3%程度が一般的です。

担保となる不動産の審査や抵当権設定に必要な費用など、不動産担保ローンならではの費用がかかります。

一般的な住宅ローンの事務手数料は2.2%が相場なので、不動産担保ローンが少し高めになっていることが多いです。

抵当権とは、返済ができなくなり担保となっている不動産を売却したときに、金融機関など抵当権者が優先的に売却したお金を受け取れる権利のことをいいます。

不動産担保ローンの利用では、金利が注目されがちですが、手数料などすべての費用を計算して、トータルで比較することが大切です。

返済が滞ると家や土地を失うリスクがある

不動産担保ローンで返済ができなくなると、家や土地を失うリスクがあります。

これは、担保となっている不動産を売りに出すことで、返済に充てられるためです。

きちんと返済していれば、家や土地を失うことはないので、ムリのない返済を計画しましょう。

家を担保に民間からお金を借りる方法

家を担保に民間から借りる場合、銀行などの金融機関のほか、不動産担保ローン会社があります。

銀行・ネットバンクなど金融機関

都市銀行や地方銀行、ネットバンクや労働中央金庫など、金融機関ごとに条件はさまざまです。

申し込み条件も、安定した収入があることは共通していますが、勤続年数が不問の金融機関もあれば、3年以上としている金融機関もあります。

年収に条件がある金融機関もあり、200万円から700万円と違いが大きいので、申し込む際にはしっかりと確認してください。

使用目的は自由に使える金融機関が多いですが、中には不動産購入やリフォームなど決まった目的だけに利用できるケースもあるので、注意が必要です。

民間の不動産担保ローン会社

不動産担保ローン会社では、金融機関と同じように個人向けの不動産を担保にしたローンを取り扱っています。

会社ごとに特徴があり、お金の使用目的は自由にきめられるプランのほか、使用方法が決まっている場合もあります。

民間のローン会社は、申し込みから融資までの期間が短いことが特徴的です。

最短だと3日で融資が完了する会社もあり、全体的に金融機関と比べて早さが感じられるでしょう。

また、融資金額の上限が、金融機関よりも大幅に高いです。

会社によっては、10億まで借りられます。

億を超える高額融資を希望する場合、意外に思われそうですが、金融機関よりも民間の不動産担保ローン会社のほうが良いかもしれません。

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