私立高校の入学金や授業料などの学費はどれくらい?
文部省の調査結果では、令和4度に私立高校の初年度にかかった平均費用は約76万円でした。
2年目以降は入学金が不要で、授業料と施設整備費が主な学費となるため、年間の平均では約59万円となります。
令和4年度 私立高等学校平均初年度学費 | |
入学金 | 164,196円 |
授業料 | 445,174円 |
施設整備費など | 149,510円 |
参考:文部科学省「令和4年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」
私立高校の学費が払えないとどうなる?
学費が払えなくて滞納した場合、対応の方法は学校ごとに異なりますが、以下のような流れが一般的です。
- 納付期日を過ぎても払えない
- 電話や郵送での督促
- 除籍または退学
多くの私立高校では、納付期日を過ぎたからといって即、除籍や退学になることはありません。
電話で連絡があったり、書面が郵送されてきたりするので、分割での支払いを相談してみるのも良いでしょう。
しかし、支払えない状況が続き、学校に相談もしないでそのまま滞納を続けると状況が悪化していきます。
除籍の可能性も
学費を払えないと、除籍になる可能性があります。
どのくらいの期間で除籍になるのかは、高校ごとに違いますが、3か月を目安に考えてください。
一般的には、3か月以上学費を滞納すると除籍になる可能性が高まります。
部活動で公式戦の参加が難しくなる
学費を滞納すると、部活動にも影響が出ることがあるので、注意してください。
公式戦の出場に必要な参加登録用紙への学校長印を、もらえない可能性があります。
ほかの部員に迷惑がかかったり、滞納のことを周囲に知られて気まずくなるなど、部活動を続けることが難しくなるかもしれません。
私立高校の学費が払えないときの対応策
学費を払うことが難しくなった場合、諦める前に対策を考えましょう。
さまざまな対応策があるので、早めに検討して、申請や相談をすることが大切です。
高等学校等就学支援金制度
返済しなくてもよい給付型の支援金で、支給条件は世帯年収が910万円以下となっています。
私立高校の場合の支給額は、毎月9,900円です。支援金は保護者に振り込まれるのではなく、学校に直接支払われます。
支援金が学費に満たない場合は、保護者が差額を支払わなければなりません。
高校生等奨学給付金制度
高校生等奨学給付金制度も、返済の必要がない給付型です。支給の条件は、以下のとおりです。
- 国公私立を問わず、高校に通っていること
- 2014年以降の入学であること
- 生活保護世帯を含む、非課税世帯であること
私立高校の場合は、年間に以下の金額が給付されます。
生活保護世帯 | 52,600円 |
非課税世帯の第一子 | 134,600円 |
非課税世帯の第二子 | 152,000円 |
非課税世帯で通信制高校 | 52,100円 |
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
ひとり親世帯が利用できる貸付金制度です。貸付金なので返済しなければなりませんが、無利息で借りられるのは安心でしょう。
上限金額は、自宅から通学するのか、自宅外なのかによって異なります。
卒業後6か月間は返済が猶予されるので、就職して生活を安定させてから返済を始められるのは大きなメリットです。
教育一般貸付
私立高校も国の教育ローンを利用できます。
無利息のローンではないので、借りる際には気をつけてください。
年収が200万円以内の世帯や子どもが3人以上の世帯、ひとり親世帯は優遇金利の対象となります。
祖父母に援助してもらう
学費が払えない場合は、お子さまの祖父母に相談してみてはいかがでしょうか。
相続税がかからないためには、3年分をまとめて援助してもらうのではなく、授業料や部活動の費用、修学旅行など、その都度援助してもらうのがおすすめです。
授業料以外で必要な費用
近年では、無償化という言葉がひとり歩きし、無料で高校に行けると勘違いする人が多いようです。
無償化はあくまでも授業料だけなので、以下のような費用を支払わなければなりません。
- 入学金
- 制服
- 設備費
- 教材
- 部活動
- 修学旅行
どの費用も、公立高校より高額になることが一般的です。
特に制服は、学校によっては靴下なども指定のものを購入する必要があります。
設備費は私立高校ならではの費用で、校舎の維持や冷暖房などの費用です。
部活動に関しても、ユニフォームのほかにオリジナルのウエアなど、公立高校よりも費用がかかるケースが多く見られます。
修学旅行は海外に行く私立高校が多く、10万円以上必要なことも珍しくありません。
入学後に慌てないためにも、授業料のほかにどのような費用が必要なのか、把握しておくことが大切です。
Yahoo!知恵袋でも私立高校の学費に関する質問が多い
学費の支払いに困った場合、ほとんどの人はまずインターネットで情報を調べます。
Yahoo!知恵袋でも、高校の学費に関する相談が多く、私立高校についても多くの方が困っているようです。
学費が払えなくなる原因はさまざまで、急な離婚や失業などのほか、無償化の勘違いも少なくありません。
私立高校の学費が払えなくならないための備えとは?
教育資金を積み立てておく
教育資金は、計画的に貯めることが大切です。
定期預金や積立など、預貯金の種類はさまざまで、金融機関ごとに違いがあるケースもあります。
お子さまが生まれたときから少しずつでも貯めておくと、私立高校の学費が払えないという事態を防げるでしょう。
学資保険に加入
学資保険とは、学費の支払いに備えるための保険です。満期まで解約しなければ、積み立てた以上の金額を受け取れます。
また、契約者である親が亡くなった場合、その後は保険料を支払わなくても、満期になれば保険金を受け取れるのも学資保険のメリットです。
終身保険に加入
意外に思われるかもしれませんが、終身保険に加入するのもひとつの方法です。
終身保険は死亡した際に保険金を受け取れるものですが、契約後一定期間が過ぎると、支払った保険料よりも解約返戻金が上回ることがあります。
一部解約ができる終身保険だと、学費などの支払いに困った場合、必要な分を解約して学費の支払いに使うことが可能です。
学費がどうしても払えない場合はカードローンを利用
私立高校の学費が払えない場合には、給付金や教育ローンを申請することが一般的ですが、必ず利用できるとは限りません。
また、何とか学費は支払えたけれど、生活が困窮してしまうケースもあります。
どうしても困ったときには、カードローンやクレジットカードのキャッシングを利用する方法もあります。即日借りられるカードローンもあるので、本当に困ったときには検討してみてください。
カードローンを利用するときの注意点
カードローンは何も考えずに利用すると、気がついたときには莫大な金額になってしまうことも珍しくないでしょう。
最初に利用限度額を設定するので、返済可能な範囲に設定することが重要です。
また、利用限度額までであれば、何度でも利用できることも注意が必要で、毎月きちんと返済をしていると限度額が上がることがあります。
限度額が上がっていることに気づかないで、何度も利用してしまうと危険です。
現在利用している金額や返済する総額、利用限度額はいくらなのかを常に把握するようにしましょう。
毎月の返済は、決められた金額より多く返済することもできます。余裕があるときには多めに返済することがおすすめです。
カードローンは、計画的に賢く利用してください。